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白鵬翔 07年NEWS42

 毎日 6月 1日
<抜粋> 
大相撲の第69代横綱に昇進した白鵬(22)の横綱が5月31日完成し、白鵬は所属の宮城野部屋(東京都墨田区)で安治川親方(元横綱・旭富士)の指導のもと、汗を流して土俵入りをけいこした。横綱は、銅線をしんに麻を巻いた3本の綱を、立浪一門の力士60人が約1時間でより合わせた。重さ約13キロ、長さ8メートルで朝青龍の7キロ、4メートルの、ほぼ倍。露払いや太刀持ちとともに着ける三つぞろいの化粧まわしは、3代前の宮城野部屋の師匠、吉葉山が使用したものを相撲博物館から借り、太刀も宮城野部屋から92年前に初めて出た第24代横綱・鳳(おおとり)のものを使った。立浪一門からの横綱誕生は旭富士(現・安治川親方)以来、17年ぶりで不慣れなせいか、綱の長さを整えるための刃物を求めて、おかみさんが右往左往。白鵬も綱を3回も巻き直されて「痛い」と悲鳴も。「締めすぎで腰が砕けるかと思ったよ」と白鵬。指導を終えた安治川親方は「体が大きく肌が白いので、せり上がりはかっこいいな」と感心。1日の明治神宮土俵入りに向け白鵬は「本番だね。思ったより簡単じゃない。家で練習しないと」と、笑顔の中にも緊張を隠せなかった。  



 スポーツ報知 6月 1日
<抜粋> 
第69代横綱・白鵬(22)=宮城野=の綱打ち、土俵入りげいこが31日、東京・墨田区の宮城野部屋で行われた。所属する立浪一門からは、1992年1月に引退した元横綱・旭富士(現安治川親方)以来の横綱とあって勝手が分からず、ドタバタの綱打ちとなった。安治川親方から指導を受けた不知火型土俵入りは、上々の出来。1日に東京・明治神宮で横綱推挙式と奉納土俵入りに臨む。純白の綱を締めた白鵬が、思わず苦笑いを浮かべた。長さが余った綱を切るナタを用意し忘れた。「どこにあるんだ」親方衆の声がけいこ場に響く。慌ただしくなる部屋関係者。近所からペンチを借りてくるが、さびがひどく、綱が汚れてしまうため却下。最後は出刃包丁を使い、まな板の上で切断した。始まりから不安はあった。何しろ立浪一門からは15年ぶりの横綱。元横綱・旭富士の元付け人を急きょ呼び寄せたが、当時を知る人はわずか数人。「ひーふーの、み」と、かけ声を出しながら細い3本の綱を1本にまとめる作業でも、リズムが合わない。03年1月の新横綱・朝青龍の時は、所属する高砂一門に2年前に引退した曙親方らがいたため約40分で完成。今回は、約1時間かかってしまった。完成後も白鵬の体に結び終わるまで、やり直すこと4回。午前9時から開始した綱打ちには3時間もかかった。土俵入りは合格点だ。指導した安治川親方が「(練習を)やってないというわりには上手じゃない」というほど。手足の左右を間違う場面もあったが、見せ場のせり上がりは迫力十分。宮城野部屋の中興の祖、横綱・吉葉山の化粧まわしをつけ、太刀持ち・安美錦(安治川)、露払い・龍皇(宮城野)を従えた白鵬。「思ったより簡単じゃなかった。(綱の重さ13キロ)に腰が砕けるかと思った。大鵬親方から『取組を2番取るのと同じぐらい大変』と言われた意味が分かった」と、大粒の汗を流した。1日は、いよいよ明治神宮奉納土俵入り。「あしたの本番が楽しみ」。2000年3月で引退した3代目・若乃花以来の不知火型を、初披露する。  



 読売 6月 1日
<抜粋> 
大相撲の第69代横綱に昇進した白鵬(宮城野部屋)が31日、東京・墨田区の宮城野部屋で、不知火型土俵入りのけいこをした。太刀持ちに安美錦、露払いに龍皇を従え、ゆったりとした所作には、感嘆の声も。指導した立浪一門の安治川親方(元横綱旭富士)が「オレより上手。足腰の構えが低くて、格好いい」と、合格点を与える出来だった。白鵬は「まだまだ練習しないとだめ。相撲を2番取るのと同じぐらい疲れると聞いていたけど、大変だった」。1日の明治神宮奉納土俵入りで、初めてファンに披露される。一方、一門から横綱が誕生するのは旭富士以来17年ぶりとあって、周囲の方はドタバタ。けいこに先立ち、朝から行われた横綱を作る「綱打ち」は一門の関取衆、若い力士ら総勢約60人で約1時間ほどかかり、その後の腰に綱を締める作業は、経験者が少ないため、さらに難航。長さを調整するのに手間取ったり、何度も綱を結び直したりと四苦八苦していた。  



 日刊 6月 1日
<抜粋> 
第69代横綱白鵬(22=宮城野)が波乱のスタートを切った。5月31日、東京・墨田区の宮城野部屋で綱打ちと不知火型土俵入りの初げいこを行った。長さ5・5メートル、重さ13キロの綱が完成したが、立浪一門15年ぶりの綱打ちとあって不慣れな準備不足などを露呈。予定を1時間以上もオーバーするドタバタ劇を演じた。安治川親方(元横綱旭富士)に指導された不知火型の横綱土俵入りは今日1日、明治神宮奉納土俵入りで初めて披露する。午前9時、威勢のいい声が響き始めた。「ひい、ふぅ~の、み!」。立浪一門総勢60人が、紅白のねじり鉢巻きで集まった。春日王のたたく太鼓に合わせ、安馬や黒海らの手で綱が…と思いきや、なかなかできない。掛け声と太鼓がかみ合わず、リズムに乗れない。休憩を挟んで80分。朝青龍の時の倍の時間を要した。ドタバタぶりは続く。背中に2つの輪をつくり、サイズを合わせた時だった。用意した出刃包丁では、末端の綱を切れない。慌てて近所の工務店から業務用ペンチを拝借したが、これがさびついていた。神聖な綱を汚すわけにはいかない。結局、まな板と小槌(こづち)も加え、再び出刃包丁の登場。4度の結び直しを経て何とか綱が完成した。そんなこんなで土俵入りのけいこは1時間遅れで始まった。安治川親方の指導のもと、第43代横綱吉葉山の化粧まわしをつけた白鵬は、手の順番を間違いながら4度、せり上がりの速さにも注意しながら繰り返した。「大鵬親方から『相撲を2番取るのと同じだ』と言われたけど、その通りだと思った。帰ってビデオを見て練習します」。苦闘の末に出来上がった綱を締め「腰が砕けるかと思った」と綱の責任感、重さを感じ取った様子だった。立浪一門の綱打ちは安治川親方引退の92年以来。この日は同親方の元付け人を呼ぶなどしたが、大半が戸惑うばかりだった。だがこれも、横綱だけが経験できる栄誉。両親とともに綱打ちを見守った白鵬は「やっと、ここまで来たなあと思ってジーンとしました」と目を細めた。「まさに『雨降って地固まる』。いいことだよ」と熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)。開始時に降っていた雨空は、いつの間にか晴れ渡っていた。【近間康隆】  



 日刊 6月 1日
<抜粋> 
レスリング男子日本代表の長期合宿(6月18日~9月9日予定、東京など)に大相撲の横綱白鵬を「一日講師」として招く計画が浮上した。4年前から白鵬と親交がある富山英明強化委員長(49)が明かしたもので、世界選手権(9月、アゼルバイジャン)に向けて選手に「精神一到」の魂を注入するのが狙いだ。「選手に、横綱になるまでの話を聞かせれば刺激になる」と同委員長。相撲界に多数の力士を輩出する母校日大OBの人脈をいかし白鵬と面識を持ち、今では場所中にも食事する仲だ。横綱は多忙のため、招くとなると夏巡業終了から8月27日の秋場所番付発表までの1週間など時間は限られる。それでも「実現したら面白い」と選手強化のため一肌脱ぐ構えだ。  



 ニッケイ 6月 2日
<抜粋> 
モンゴル出身力士として初の関取となり、昨年九州場所で引退した元小結旭鷲山(34)=本名ダバー・バトバヤル、大島部屋=の引退相撲が2日、東京・両国国技館で行われ、新横綱の白鵬が国技館で初めて不知火型の土俵入りを披露した。バトバヤル氏はウランバートルから航空機2機をチャーターし、約500人のモンゴル人を招待。断髪式では師匠の大島親方(元大関旭国)や白鵬ら約230人がはさみを入れた。目を潤ませたバトバヤル氏は「モンゴルから2人も横綱が出るなんて、思ってもいなかった。まさにモンゴル時代が始まったんだよ」と感慨深げ。白鵬は「旭鷲山関の紹介で相撲界に入り、引退相撲で土俵入りができた。不思議な縁。ただありがとうの一言です」と神妙に話した。モンゴル出身初の横綱となった朝青龍も、故郷の先輩のまげにはさみを入れ、はなむけの土俵入り。「寂しいよ。(旭鷲山とは)いろんな問題も起こしたけどね。モンゴル人力士のパイオニアだから。お疲れさま」とねぎらった。バトバヤル氏は今後、自ら経営する会社の事業により、モンゴルに500キロにも及ぶ高速道路を建設するという。   



 日刊スポーツ 6月 7日
<抜粋> 
新横綱白鵬(22=宮城野)の相撲道精進を、学問の神様・菅原道真公が後押しする。東京・墨田区の部屋近くの亀戸天神社が、宮城野部屋の千秋楽打ち上げパーティーの会場に名乗りを上げたことが6日、分かった。これまで東京場所後のパーティーは、同部屋内で行ってきたが、横綱昇進などで来客が増えることが見込まれるため、同部屋側も新たな場所を探していた。白鵬を育てた熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)は「白鵬は横綱に昇進した直後『これからも日々勉強です』と言っていた。亀戸天神は学問の神様(菅原道真)が祭られている神社なので、ちょうどいい。ありがたい話です」と喜んだ。3年前には白鵬自ら同神社の祭に参加して、みこしを担いたこともあり、縁は深い。22歳2カ月と史上3番目の若さで横綱昇進。これからさらに成長が見込まれるだけに、学問の神様のご加護は大きな力になりそうだ。  



 日刊スポーツ 6月 15日
<抜粋> 
新横綱白鵬(22=宮城野)が名古屋場所(7月8日初日、愛知県体育館)で使用する、三つぞろいの化粧まわしのデザインが15日、正式に決定した。大阪の後援会から贈られるもので、黄金の鳳凰が太陽に向かって羽を広げて飛ぶ模様に決まった。太刀持ちと露払いを合わせると、背景に赤い富士山が浮かび上がる。背景を太陽と月にする案もあったが、父ムンフバトさんの「日本の皆さんにも愛されるように、日本のシンボルにした方がいい」のひと言で、同デザインになった。名古屋場所直前に出来上がる予定で、白鵬は「自分の化粧まわしができるのは楽しみ。土俵入りにもさらに気合が入ると思う」と、横綱として迎える初めての場所を楽しみにしていた。   



 日刊スポーツ 6月 17日
<抜粋> 
新横綱白鵬(22=宮城野)が、テレビ朝日の人気番組「徹子の部屋(7月3日放送予定)」で弟弟子を募集する。横綱昇進を機に同番組から出演依頼を受け、快く承諾。18日に収録することが決まった。「影響力のある番組だし、そこで新弟子の入門を呼び掛けたい。部屋を盛り上げるためにもう少し若い衆がいた方がいい」。天性の明るさを前面に出して「徹子の部屋」を盛り上げ、部屋の活気につなげるつもりだ。現在部屋は白鵬を含め、関取3人と幕下以下の若い衆が5人所属する。綱打ちなどで、横綱には最低でも付け人が7人必要なため、名古屋場所(7月8日初日、愛知県体育館)からは一門の他の部屋から若い衆5人を借りることになった。「オレが先頭に立って部屋を大きくしていきたい。それが、角界の発展にもつながる」と、早くも看板力士としての自覚も出てきた。  



 スポーツ報知 6月 17日
<抜粋> 
大相撲の新横綱・白鵬(22)=宮城野=の横綱昇進披露パーティーが、9月2日に内定したことが16日、分かった。会場は都内のホテルを予定。2月に結婚した紗代子夫人(23)と5月に誕生した長女・愛美羽(あみう)ちゃんを、相撲協会関係者の前で初披露することも予想され“プレ結婚披露宴”ともなりそうだ。名古屋場所(7月8日初日、愛知県体育館)で1995年初場所の貴乃花以来、12年ぶりの新横綱優勝を狙う白鵬。4度目の優勝を果たし、パーティーに花を添える。新横綱・白鵬を対外的に披露する“記念日”が、9月2日に内定した。育ての親・熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)が「正式決定ではないが(協会行事のため)北の湖理事長と話しました。2日で進めていきます」と、明かした。会場は、1000人近い招待客を収容できる都内のホテルを予定している。理事長を始め、日本相撲協会関係者が多数来場するため、夫人と長女が“角界デビュー”するには最高の舞台となる。「式とかは赤ちゃんが1歳ぐらいになってから」と、話す新横綱にとっては“プレ結婚披露宴”ともなりそうだ。白鵬はこの日、屋形船を貸し切って行われた公式ファンクラブ「白鵬倶楽部」のイベントに参加。トークショーや質問コーナーなどで、集まった約100人のファンと2時間半の楽しい時を過ごした。「皆さんが応援してくれたから横綱になれた。昇進を決めてから会えてうれしいです」応援団に囲まれて、最高の笑顔を見せた。名古屋場所では史上8人目となる新横綱優勝に挑む。所属する宮城野部屋は、この日でけいこを打ち上げた。25日の番付発表まではオフとなるが「休みじゃないよ」と、独自に調整する考えを示すなど気合は十分。場所後に開かれる昇進パーティーでは、胸を張って3連覇とV4を報告する。
◆主な横綱の昇進披露パーティー
▼貴乃花(1995年2月8日) 柔道の田村亮子ら約1500人が出席。1月に阪神・淡路大震災が起きたため冒頭に約1分間の黙とう。お祝い金の一部を義援金に充てた。
▼若乃花(1998年9月1日) サッカーの三浦知良ら約1000人が出席。
▼武蔵丸(1999年8月29日) 民主党の鳩山由紀夫幹事長代理(当時)ら約1700人が出席。
▼朝青龍(2003年4月21日) 明徳義塾高の先輩三都主ら約1000人が出席。  



 時事 6月 25日
<抜粋> 
新横綱の白鵬は「大相撲で一番上の番付。大変だなと思います」。最高位にしこ名が載った新番付を手にし、改めて重い責任を感じている様子だった。夏場所後は昇進行事であわただしい毎日が続いたが、「やっと(気持ちが)落ち着いてきた」という。
 横綱として迎える初めての場所。3連覇が懸かるが、「先場所と変わらない気持ちでやる。相撲が硬くならないようにしたい」と、まずは平常心を強調。さらに「15日間、子供たちに夢を与えられるような相撲を取る」と意気込みを示した。 (了)  



 中日 6月 26日
<抜粋> 
日本相撲協会は25日、50年目を迎える大相撲名古屋場所(7月8日初日、愛知県体育館)=日本相撲協会、中日新聞社共催=の番付を発表し、夏場所を全勝優勝して69人目の横綱となった白鵬(22)=宮城野部屋=が西に座った。東横綱の朝青龍とともに22場所ぶりに東西両横綱がそろった。白鵬は新横綱として「子どもたちに夢を与える横綱になりたい」と大相撲人気の復興に意欲を見せた。まずは、昨年綱とりに失敗した名古屋で新横綱Vを狙う。
■夢を与えたい
大相撲人気を高めたい。自覚とやる気に満ちあふれた新横綱の“所信表明”だった。名古屋市緑区の宮城野部屋宿舎で会見した白鵬は意気込みを口にした。「子どもたちが、ほかのスポーツにいっている。子どもたちに夢を与える横綱になりたい。(自分の相撲を見て)僕もやりたいな、という気持ちを持ってほしい」。角界の第一人者として、野球やサッカーなどほかのスポーツに向いている日本の子どもたちの関心を、自らの相撲で土俵に向けさせる心意気がある。そのためにも新横綱の名古屋場所を幸先よく優勝で飾りたいところ、宮城野部屋も全面的にバックアップ。まずは部屋宿舎のけいこ場を改善した。昨年の名古屋場所では、土俵が大雨で浸水し、ぬかるんでしまった。水はけが悪いアスファルト上に土俵を作ったのが原因で、綱とり場所にもかかわらず白鵬がけいこできない日が続いた。今年はその反省を踏まえて、土俵の設置場所を砂利の駐車場に移した。水はけも良好で昨年のような心配はなくなった。白鵬も「今年は本当にうまくできているらしい」と“合格”を出した。力士の基盤であるけいこ場の不安も解消され、余念なく調整できる。「昨年のようにまた綱とりで名古屋に来たら嫌だなと思っていた。横綱に上がれて良かった」。白鵬にとって因縁の名古屋場所だが、1年間の遠回りで、心技体のすべてが強くなったのも事実。横綱になって初の優勝を名古屋で手にして角界を盛り上げる。  



 デイリースポーツ 6月 26日
<抜粋> 
日本相撲協会は25日、大相撲名古屋場所(7月8日初日・愛知県体育館)の新番付を発表した。新横綱白鵬は西の横綱に座り、東の朝青龍と並んで03年九州場所以来22場所ぶりに東西の横綱がそろった。千代大海は大関在位51場所で、貴ノ花を抜き史上単独1位となった。大関昇進がかかる琴光喜は、昭和以降で単独1位となる関脇在位22場所目。豊響が新入幕を果たし、境沢、北太樹、保志光が新十両。また、十両の霜鳥が「霜鳳(しもおおとり)」と改名した。3連覇の足場は固まった。名古屋市緑区の宮城野部屋で、約1カ月間けいこを積む土俵の「土俵祭」が行われた。部屋の力士が集まって安全を祈願。ステップを踏んで感触を確かめた白鵬は「うまくできたみたいですよ」とにこやかだった。昨年用意した土俵は、宿舎を置く浄泉寺のアスファルト部分に土を薄く盛っただけの粗末なもの。地面が水分を吸い込まないため、雨が降ると水が染み出してしまうありさまだった。十分にけいこを積めず、横綱昇進を逃す一因ともなった。今年は宿舎裏の駐車場に土俵が作られた。地面が土のため、水はけも問題なし。部屋付きの熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)も「相撲を取る部分は乾いた。問題ない」と太鼓判を押した。新横綱の優勝は年6場所制に移行した1958年以降では大鵬、隆の里、貴乃花の3人だけ。白鵬は「硬くならないようにしたらいい。(優勝は)できればしたいね。自信は多少は(ある)ね」と意欲十分。土俵の完成は、新横綱Vへの大きなプラス材料となる。29日には、宿舎がある緑区鳴海町の管轄署である緑警察署で一日署長も務める。周囲のサポートを受け大横綱への道を歩み始めた白鵬は「子どもたちがほかのスポーツに行っているから、夢を与える相撲を取りたい」と使命感に燃えていた。  



 スポーツ報知 6月 29日
<抜粋> 
大相撲の新横綱・白鵬(22)=宮城野=が、本場所で使用する締め込みを新調し、色を「濃紺」から「焦げ茶」に変えることが27日、分かった。珍しい色の“勝負まわし”を着け、名古屋場所(7月8日初日、愛知県体育館)で新横綱Vを狙う。新しい横綱像をつくる意気込みだ。紺、紫、黒などを使う力士が多い中、白鵬は「珍しいからね」と、焦げ茶色を選んだ理由を明かした。おとなしい性格で自己表現は得意ではないが、ファンに向けてアピールを開始。準備の関係で披露は2日目以降になる可能性もあるが、大きな話題を呼ぶことは間違いない。名古屋市緑区の宮城野部屋で本格的なけいこを開始。同部屋の幕内・龍皇との申し合いで汗を流した。当初は15番を予定していたが「体が温まってきたから」と20番をとり、19勝1敗だった。「暑かったけど、いい流れでやれた」とニッコリ。過去に7人しか達成していない新横綱Vへ、滑り出しは上々だ。
◆主な横綱の締め込み 有名なのは輪島の「金」。おしゃれで名をはせた北の富士は、当時としては異色の「緑」で話題に。千代の富士の「黒」は、筋肉質の体をより一層、際立たせた。現在「黒」の朝青龍は「金」を使ったこともある。白鵬はこれまで「ワインレッド」「青緑」「濃紺」を使用してきた。



 スポニチ 6月 29日
<抜粋> 
来月8日からの大相撲名古屋場所を前に、新横綱の白鵬関(22)が29日、愛知県警緑署の一日署長を務め交通安全をPR、死亡事故の発生が2年連続で全国最悪の愛知県の汚名返上に一役買った。同署で委嘱状を受け取った白鵬関は、名古屋市緑区の大型スーパーまでオープンカーで交通安全パレードを実施。その後、同スーパーの広場で、買い物客らを前に「飲酒運転はしません」など五項目の交通安全宣言を読み上げ、客らからは「色白でいい男だね」などの声も上がっていた。生後5カ月の長男一平ちゃんを連れて買い物に来た同市瑞穂区の会社員植村亜紀子さん(32)は、白鵬関に一平ちゃんを抱っこしてもらい、「この子が大きくなるころには交通事故がゼロになるよう願っています」と感激した様子だった。  



 サンスポ 7月 2日
<抜粋> 
けいこに500人!白鵬「気合入る」
新横綱フィーバーだ。初の横綱場所を控えた白鵬が7月1日、名古屋市内の宮城野部屋で、平幕龍皇と17番の三番げいこ(同じ相手と何番もとる)を行ったが、ファン約500人が詰めかけた。7月1日の人数としては、昨年の最高時の約3倍という多さ。土俵周りには何重にも人垣ができ、これには白鵬もビックリ。「500人? 気合が入るし、いいけいこができますよ」と、ファンの求めに応じて赤ちゃんを抱き、カメラにおさまるなどサービスに努めていた。  



 スポーツ報知 7月 2日
<抜粋> 
新横綱・白鵬(22)=宮城野=は1日、名古屋市緑区の宮城野部屋で2日から出げいこを始めることを明かした。訪問先に先輩横綱の朝青龍(26)=高砂=も出向くことを予告している鳴戸部屋を挙げ、両横綱の前哨戦が実現する可能性が急浮上してきた。白鵬と朝青龍は昨年も名古屋場所前の7月4日に鳴戸部屋での出げいこで顔を合わせ、3勝1敗で朝青龍が圧倒した。予告通り両横綱が鳴戸部屋で申し合いを行えば、けいこ場では1年ぶりの激突となる。白鵬はこの日、500人ものファンが集まる中、龍皇と17番の申し合いをした。「いいけいこができている」と充実感を示したが、朝青龍との前哨戦には「う~ん」と苦笑い。一方の朝青龍は3日連続休養。果たして両横綱は顔を合わせるのか。  



 時事 7月 2日
<抜粋> 
朝青龍と白鵬が2日、出げいこ先の鳴戸部屋で鉢合わせ、早くもけいこ場で「横綱対決」が実現した。力のこもった3番げいこを11番。白鵬が左上手から強烈な投げを打てば、朝青龍は迫力満点の突き、押しで応酬。勝負の微妙な一番を除けば、5勝5敗と全くの互角だった。白鵬は「横綱を相手に試すのは失礼。自分の形で相撲を取った」。朝青龍も「いいけいこだったね。お互い思い切りできた」。番数こそ少なかったが、両横綱とも満足顔で引き揚げた。(了)  



 毎日 7月 2日
<抜粋> 
初日まで1週間を切った2日、朝青龍と白鵬が出げいこ先の鳴戸部屋宿舎(愛知県長久手町)で鉢合わせした。両横綱は二人が続けて何番も取る三番げいこを行った。白鵬が四つに組んで主導権を握れば、朝青龍は速い動きで懐にもぐり込むなど、それぞれ持ち味を発揮しながら11番。勝敗微妙な1番のほか5勝5敗と星を分け合った。朝青龍は「いい相撲だった。いろいろ試せるのもけいこ。思い切ってやろうと思った」と気持ち良さそうに汗をぬぐった。白鵬も上手投げで先輩横綱を土俵に転がす場面もあり、「決まったね」と笑顔を見せた。けいこを見守った鳴戸親方(元横綱・隆の里)は「番数は少ないが二人とも考えながら取っていた」と話していた。【村社拓信】  



  時事 7月 2日
<抜粋> 
◇高まる期待
名古屋市郊外にある宮城野部屋。屋外に設置された土俵を、平日でも100人以上の見物客が取り囲む。「去年よりずっと多くてびっくりした。大関とは違うね」と白鵬。新横綱に対する世間の期待の大きさは、本人にとっても予想以上だった。名古屋入りしてからの1週間は、同じモンゴル出身の龍皇との三番げいこが主。あえて立ち遅れて不利な体勢から押し返したり、まわしを取らせてから巻き替えを試みたり。「相手が考えてくるから、おれもいろいろと研究しないと」。番数は20番前後。力量差のある平幕を相手に物足りない数字だが、本場所の土俵を想定しながら取っている印象だ。昇進行事に追われ、けいこ不足になりがちな新横綱は苦戦する例が多い。年6場所制となった1958年以降、朝青龍まで24人の横綱が誕生したが、新横綱で優勝したのは大鵬、隆の里、貴乃花の3人しかいない。一門の安治川親方(元横綱旭富士)は「見えない重圧があって、場所中の気疲れは大関時代の比じゃない」と最高位の難しさを強調する。それでも、本人は「横綱は常に優勝戦線に入らないと駄目。でも先場所の綱とりの方が重圧があった」。22歳らしからぬ落ち着きを見せる新横綱。綱とり同様、気負いも力みもなく、3連覇に挑む心構えだ。(了)  



 読売 7月 3日
<抜粋> 
大相撲名古屋場所は8日、愛知県体育館で初日を迎える。22場所ぶりに東西に横綱がそろい、新横綱白鵬への期待が膨らむ。注目を一身に浴びる22歳は、場所前、「無理せず、焦らず、気負わず」のマイペースの調整ぶりが際立つ。3日のけいこは、宮城野部屋で、龍皇との10番だけで切り上げた。昇進後は行事などに忙殺された。疲れもあるのか、名古屋入りしてからは、部屋での調整がほとんどだ。しかし、2日は出げいこ先の鳴戸部屋で朝青龍と鉢合わせ。右四つに組み止めれば白鵬、懐に潜れば朝青龍といった互角の内容だったが、相撲解説者の舞の海さんは、「白鵬の方に余裕を感じた」と感想を口にした。環境の変化などで新横綱の場所は苦戦を強いられることが多い。年6場所制以降、優勝したのは大鵬、隆の里、貴乃花の3人だけ。15戦全勝で新横綱優勝を飾った鳴戸親方(元横綱隆の里)は「大関とは待遇がガラリと変わるし、(重圧のため)真綿で首を絞められるような感覚。夢の中でも息苦しい」と振り返る。今のところ、落ち着きを漂わせている白鵬も「気持ちのもって行き方などは、同じではないと思う」。注目度は大関時代の比でない。新時代の到来を印象づける3連覇に向け、「精神一到」(精神を集中して事に当たれば、成し遂げられないことはない)を貫けるだろうか。  



 デイリースポーツ 7月 3日
<抜粋> 
日本相撲協会が来年に朝青龍、白鵬の両横綱の故郷であるモンゴルで初の巡業開催を計画していることが三日、明らかになった。開催時期は六月か八月を予定している。相撲協会の北の湖理事長(元横綱北の湖)は「モンゴル出身の横綱が二人並んでいる。こういうタイミングやチャンスはなかなかないことだ。(実現すれば)モンゴルの方々にも喜んでいただけるでしょう」と語った。五日からは同協会巡業部の武隈親方(元関脇黒姫山)らが現地を訪れて視察する。大相撲のモンゴル出身力士は現在、34人。そのうち幕内7人、十両5人と計12人の関取を誇る。また名古屋場所(8日初日・愛知県体育館)では白鵬が新横綱となり、史上初めて東西の頂点にモンゴル勢が並んだ。相撲協会の大島巡業部長(元大関旭国)は「モンゴルでは大相撲人気が高いし、二人の横綱が元気なうちに実現させたい」と話し、白鵬は「自分が生まれて育ったところだから、みんなに横綱土俵入りを見てもらいたい」と開催を心待ちにした。また今年十二月には台湾の高雄、来年は米国ロサンゼルスでも巡業開催を計画中。六月には14年ぶりのハワイ巡業、昨年八月には戦後初の台湾巡業が行われている。  



 時事 7月 4日
<抜粋> 
白鵬が4日、大島部屋に出げいこ。旭天鵬、旭南海らを相手に23番取った。得意の右四つからの寄り、投げを重点的にチェック。体の大きい旭天鵬に上手を取らせておいて、まわしを切る動作も繰り返した。「きょうは下からの攻めをやった。納得のいくけいこだった」。4日後の初日に向け、調整は順調のようだ。(了)  



 サンスポ 7月 初日
<抜粋> 
さっそう、若き新横綱 プレッシャーの中で勝つ
西の花道から、白鵬が悠然と歩いて土俵入りへ向かう。中入り前の準備に忙しい呼び出したちも、手を休めてじっと見つめる。満員の観客で埋まった館内からは、大きな拍手と歓声が起きた。26場所ぶりの新横綱を迎える雰囲気は、華やいでいた。不知火型の両手を大きく広げるせり上がりでは、どよめきも起きた。花相撲などで披露はしてきたが「今日が一番良かった。相撲を取る前にいい運動になるね」と白鵬。若き新横綱が、さっそうと登場した。結び前の一番では、張って出る立ち合いから、時天空を右四つに組み止めた。「よく体が動いた。積極的に前に出たね」。落ち着いた寄り身は先場所までと同じだったが、「自分でも硬くなってるなと感じた」と大きく息を吐き出した。歓迎ムードの一方で、将来性抜群の白鵬には求められるレベルも高い。北の湖理事長(元横綱北の湖)は「これからは15日間トータルの成績が重視されるからな」と言い、土俵下で見守った九重審判長(元横綱千代の富士)は「もっと全力を尽くして白星を取りにいかなければいけない」と完勝だったこの日の相撲ぶりにも苦言を呈した。勝ち方までも問われるのが横綱だ。白鵬は「横綱として初めての場所。うれしいけど、目に見えない、変なプレッシャーがある」と静かに話す。長い長い道のりを、22歳が歩み出した。  



 日刊スポーツ 7月 2日目
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低い踏み込みで出島の圧力ある立ち合いを受け止め、左に動きながらはたき込んだ。「昨日よりだいぶ落ち着いてきた。いい緊張感で、体が動いている」と落ち着いた表情で話した。  



 日刊スポーツ 7月 3日目
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新横綱白鵬(22=宮城野)が、危なげなく初日から3連勝した。7場所ぶりの顔合わせとなる若の里(31)に右の差し手を許したが、すかさず左からのとったりを決めた。無難に3日間を乗り切ったが「まだまだですよ。残り10日以上、あるんだから」と引き締めていた。  



 日刊スポーツ 7月 4日目
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新横綱白鵬(22=宮城野)が豪風(28)を突き落としで下し、初日から無傷の4連勝とした。得意の左前まわし取りを封じられると、冷静に突っ張って前に出た。土俵中央で突き落としを決め「タイミング良かったね」と笑顔。新横綱場所として見せていた硬さもほぐれ「慣れてきました。体も動いている」と話した。 



 時事 7月 5日目
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朝赤龍が立ち合い、しゃがむように腰を落とした。足を取りにいったという、そんな奇襲にも白鵬は動じない。突き放してのけぞらせた。足の運びも良く、左、右と突いて最後はもろ手突き。「慌てなかったね」。土付かずで序盤戦を乗り切り、新横綱の表情が緩んだ。初めて綱とりに挑んだ昨年の名古屋場所。初日に朝赤龍に敗れたのが響き、結果的に昇進を逃した。悪い予感がしてもおかしくなかったが、「去年は去年。そんなに相手のことは考えない」と冷静そのもの。得意の左上手が取れなくても、流れの中で勝機をつかむ相撲に磨きがかかった。この日のように、昨年より重くなった突き、押しも武器の一つ。同門の安治川親方(元横綱旭富士)は「下半身に崩れがない。だからまわしを取れなくても、安心して見ていられる」と成長を認める。ただ、横綱が序盤に取りこぼさないのは当たり前。白鵬は「やっぱり多少の疲れはある。(時間がたつ  



 スポニチ 7月 6日目
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大相撲名古屋場所6日目は13日、愛知県体育館で行われ、新横綱・白鵬が高見盛の挑戦を退け、幕内通算200勝を飾った。1949年夏場所に15日制となってから、初日から6連勝した新横綱は5人目。綱の重責に動じない安定した取り口で、史上8人目の新横綱優勝を視界に入れている。大関獲りの琴光喜も、安馬との関脇対決を制して6連勝。大関・琴欧洲が敗れ、1敗は横綱・朝青龍、大関・魁皇、平幕の豊真将、豊響の4人となった。その手は食わないぞ!とばかりに必死に精神を集中させた。呼び出し後に二字口でそんきょし、ちりを切る白鵬の視線の先には、ハイパワーロボコップと化した高見盛。あまりの興奮状態で顔面は福笑いの面のように崩れていた。仕切り線をはさんでの「にらめっこ」に噴き出しそうになった。だが、待ったなしの3分後までには勝負師の顔に戻っていた。高見盛の突進を食い止めながら右を差し込むと、右から起こして重圧をかけた。気負う相手が前のめりになる瞬間を見逃さず、絶妙の肩透かしで横転させた。相手の挑発は「いつものことですから。別に取りにくいことはないです」と軽く流したものの、節目の幕内200勝到達を聞かされると「いい日だったんだな」と表情を和ませた。新横綱の6連勝発進は15日制導入後では5人目。緊張と重圧で先輩横綱が序盤に失速したのとは対照的に、白鵬は日を追うごとに安定感を増している。それだけの準備もしている。名古屋場所は猛暑で調整が難しいと言われるが、冷房でのどを痛めた昨年の反省から、冷房を控えてきた。育ての親、熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)も「蒸し暑い部屋でぐっすりと寝て汗をかいている。体調管理がしっかりできている」と横綱の自覚を評価した。7日目は太刀持ち役の安美錦。太刀持ちの代役は韓国出身の春日王が務めるため、史上初の外国出身力士による横綱土俵入りが実現する。初物づくしの横綱デビュー場所だが「土俵にはなじんできた気がする」と話す。軽い足取りで会場を後にする姿からは、いつにない「心の余裕」が感じられた。  



 中日スポーツ 7月 6日目
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新横綱白鵬=宮城野部屋=が肩透かしで高見盛を退け、初日から無傷6連勝。琴光喜とともに全勝をキープした。白鵬は春場所の千秋楽から白星を22個積み上げ、これで幕内200勝をマークした。集中力に乱れはない。白鵬が高見盛の例の笑えるような仕切りスタイルにも目をそらさない。今場所途中休場した把瑠都などは「見ると力が抜ける」と視線をそらすのに、新横綱は泰然としたものだ。その独特の仕切りに、白鵬は「まあ」と言って笑みを漏らしたあと「いつものことですから」と気にしていない。「取りづらい? それはないでしょう」。自信たっぷりの言葉どおり、全く危なげがなかった。立ち合い、左手は高見盛のまわしに届かなかったが、さっと右を差す。踏み込みが鋭く、高見盛をすぐにつかまえ、差した右ですくう。肩透かし。左手は高見盛の首を押さえて完ぺきだ。この日の相撲の話はこれでおしまいで、後はモンゴルの祭典「ナーダム」のこと。前夜、モンゴルから電話がかかってきた。「優勝は大関、横綱ではない。関脇が勝った。決定戦の相手も関脇だったね」と白鵬は報告した。かつて日本にきて宮城野部屋でけいこした知人の元横綱のウスクバイルさんは5回戦で敗れたという。白鵬は「残念」と自分のことのように悔しがった。白鵬自身の調子が上がってきた。「初日から同じペースだが、土俵になじんできたね」と、淡々としたものだ。日増しに落ち着きが出て、貫録が漂ってきている。引き揚げるとき、報道陣から幕内での勝利が「200」と知らされ、白鵬は「じゃあ、きょうはいい日だったんだ」とにっこりほほえんだ。 (近藤昭和)  



 日刊スポーツ 7月 7日目
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 新横綱白鵬(22=宮城野)が、とったりで小結安美錦(28)を下し、全勝を守った。懐に潜ろうとする相手を突き放してから、右腕をがっちり決めた。「相手は技能力士で相撲がうまいから、中に入れたくなかった」と話した。中日には、先場所苦戦した豊ノ島(24)戦が組まれ「小さい相手だし、そのへんは気を付けて取りたい」と話した。  



 日刊 7月 中日
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横綱白鵬(22=宮城野)が平幕豊ノ島(24)を下し、ストレートで勝ち越しを決めた。豊ノ島に中に潜り込まれ土俵際まで押し込まれたが、慌てず右を差してからはたき込んだ。新横綱場所で初日から8連勝したのは、1場所15日制となった1949年(昭24)5月以降4人目。偉大な先達でもなかなか出来なかった快進撃に、笑顔を見せた。関脇琴光喜(31)も大関魁皇(34)を寄り倒し全勝をキープ。横綱朝青龍(26)と平幕豊真将(26)が1敗を守った。ヒヤッとした。白鵬は警戒していた左はずを許し、豊ノ島に一気に土俵際まで押し込まれた。「小さい相手ですからね。まだだろうと思ったら、急にきた」。取組前、付け人に左腕をねじ込むパターンを繰り返しさせて対策を講じていたが、あっけなくピンチを迎えてしまった。それでも慌てない、心のゆとりが今はある。左足を俵にかけ、右を差して踏ん張ると、滑った相手をはたき込んだ。取組前の支度部屋で「直前対策」を練ったのは今場所2度目。「すべて盤石にはいかないよ」と反省したものの、逆に、心身の柔軟性を証明する一番となった。横綱昇進後、熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)に諭された。「横綱というのは強いのはもちろん、人間的にも尊敬されなきゃいけないんだ」。宮城野部屋を再興した第43代吉葉山が、福田赳夫元首相らと交流していた話を聞いた。今では毎日、新聞に目を通し、テレビのニュースに耳を傾ける。平仮名や簡単な漢字は読めるが、わからないことは関係者に「これはどういうこと?」と聞く。最近では皇太子さまがモンゴルを訪問された際の報道の説明を求め、今回の参議院選挙にも関心を示しているという。新横綱場所での初日からの8連勝は玉の海(70年春)隆の里(83年秋)旭富士(90年秋)に次いで4人目。「綱の重圧」に押しつぶされることなく、確実に白星を重ねている。元横綱旭富士の安治川親方は「自分は土俵入りで気合が入った。『横綱なんだから勝つんだ』と言い聞かせていた。白鵬も落ち着いた表情をしてる」と話した。旭富士のように、重圧を逆に力に変えた白鵬には、隆の里以来の新横綱全勝Vへ期待も高まる。「場所前からストレートで勝ち越すつもりだった。ここでホッとしてちゃダメですね」。若き横綱は、気を緩めずに突き進んでいく。【近間康隆】  



















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